
世界の女子ゴルフ界は韓国の選手が席巻をしている状態が続いています。
特定の選手がプロとして活躍をするだけでなく、複数の選手が登場し、ツアーで勝利をし、それでいて話題を独占しているような状態です。
日本でも女性としての美しさを持つ選手がプロとして活躍をしていますが限定的であり、韓国勢になかなか太刀打ちができないような状態となっています。
こうした事情には、韓国国内の事情やアメリカでの活躍を視野に入れた活動があり、そうしたことが強い選手を多く生み出していると言われています。
この部分をまずは知っておかなくてはなりません。
韓国女子ゴルフの強さの理由
まずジュニア時代からの育成が関係しています。
元々ゴルフに関してメジャーなスポーツであり、両親がゴルフ好きで、その流れでゴルフをやり、ジュニア時代から厳しく育てられてきたという人が韓国には多くいます。
日本における卓球のように、ゴルフを始めたきっかけが両親がやっていたからというのがほとんどであり、そうした環境があることをまずは知っておく必要があります。
それでいて、韓国を代表する選手としての育成というものが非常に激しく行われていることも要因であると言えます。
代表常備軍とは?
韓国では代表常備軍というものが存在します。
ナショナルチームの代表を選ぶための候補者であり、その候補者の中で試合を行っていき、上位の人が代表となります。
代表常備軍に入ることができるのは男女それぞれ30人で、代表となる人は男女それぞれ6人です。
代表常備軍に入ることも大変であり、日本にやってくる人の多くは代表常備軍に1回だけ入った、もしくは箸にも棒にもかからなかったという人もおり、いかに層が厚いかがわかります。
男子ゴルフでも席巻をしている背景には、こうした組織の存在も大きく関係しています。
代表に選ばれると、各種国際大会に参加をするようになり、その時の費用はすべて国が負担をしてくれ、他にも用具の費用、合宿費用なども国が負担します。
日本ではこれらはすべて親が負担をするため、相当な負担となりますが、代表に選ばれればこれらを全部負担してくれるということもあり、そこがモチベーションになります。
また、シンプルなことに、代表に選ばれたからそこにアドバンテージがあるわけでなく、毎年入れ替えが行われ、その前の年にどれだけ頑張っても翌年ダメなら代表落ちをしてしまう、わかりやすく、それでいてシビアな制度です。
徹底的に勝ちにこだわる
こうした制度があるため、勝ちにこだわる、絶対に諦めない人が多く出てきます。
もちろん、勝利至上主義であることの弊害は大きく、特に教育の部分ではかなり犠牲にしていることもあり、人間性として質が落ちる人が出てきてしまうのも事実です。
とはいえ、それは微々たる問題であり、国家を挙げて支えているということもあって、今のところはプラス面が多いのが実情であり、現に代表常備軍に入ることも大変な人ですら日本にやってきて活躍をし、世界ランキングでも独占をするような状態となっています。
強い秘密は合宿の濃厚さにも出ています。
通常は数か月の合宿の期間でとどまるところ、アジア大会を控えているときには2年間の中で10か月の合宿をこなすことになります。
男性に限れば、アジア大会での優勝により兵役を免除できるという特典があまりにも大きく、それがモチベーションとなっています。
働き盛りの時期に2年間も兵役で戦線を離脱することはあまりに厳しく、男性の場合にはそれがモチベーションですが、女子ゴルフでも同じであり、一族が総出で応援する状況というのもメンタルの強さを生む要因です。
強さの秘密はメンタルにある?
ハングリー精神の点で歯が立たないという声もありますが、ゴルフをする環境が全く異なるというのが大きいです。
日本では全国各地にゴルフ場があり、場合によっては経営が大変なところも数多くある一方、お隣の国ではゴルフ場が少なく、練習をしたくてもできないような状況です。
しかも、無理やり練習を確保しようとするため、芝の状況も劣悪であり、その中での練習を強いられることとなります。
このため、自然とメンタルが強くなっていき、どんな劣悪な状況であっても勝ってみせるという気になっていきます。
こうした女性ゴルフブームの背景には他にもアジア通貨危機で経済的にかなり土俵際に追い込まれたとき、メジャー大会で優勝をし、世界を席巻したゴルファーが登場したことも要因となっています。
閉塞感を打破できるのはゴルフしかないとばかりにゴルフに力を入れ始め、それに代表常備軍のようなものが登場したことで一気に優秀な人を生み出すようになっています。
まとめ
アメリカツアーでも大活躍をし、世界的にその活躍は認められている存在です。
これを打ち負かすにはメンタルしかないというのでは少し不十分であり、育成のバックアップをすすめていくことが何より大事です。
そして、負担の多いゴルフというイメージを払しょくするような支援がない限り、凌駕するのは厳しいと言えます。